オナニーハウス

オナニーハウスでは誰もが一人になる

そうして自分が本当は何を望んでいるか欲しているか

ということに対面する

そうしてオナニーをし終え

自分が本当は何を望んでいるか欲しているかということを忘れ

日常に戻る

河川敷の

背丈の高い草むらから

血や精子の匂いのする獣道を逆に歩き

思い出したように両足で立って

ポケットから

スマートフォンを取り出し

いいねは増えたろうか

そうだ、株式をチェックしよう

また迷惑メールだ

そうなんだ

僕たちは日々

二番目に大事なことに没頭している

二番目に大事なもののなかで苦しんでいる

二番目に大事なものを守るために死んでいくのだ