K工業所

十代の頃、自分の気力で仕事を続けることが困難になり

日雇いの仕事を求め早朝の高田馬場に行き

流れでそのまま浦安のタコ部屋で半年働いた

タコ部屋と言ってもまあ綺麗な畳が敷かれた大部屋で15人位で雑魚寝

犬が居て事務のお姉さんが綺麗で屋上からデイズニーランドの花火が見えた

その頃はオナニーに困り、近くの公園の石碑の裏でコンクリートにちんこをこすりつけたりしていた

若いころ自分は、オナニーを手でしなかった

床にこすりつけていたのだ

元売れない演歌歌手だったKさんは土工としての俺を鍛えた

Jさんは自腹で俺の作業着を買ってくれたりした

時に一緒にカラオケに行き、「お前の歌には情緒がない」と言われたりした

皆、よく競馬をした

日曜には、後楽園の場外馬券売り場でよくワンカップを飲んでいた

今思えばそれは俺なりの大人の真似、底辺のロールプレイだったのだと思う

俺は何者かになりたいと思っている

それは今でも・・

ちなみに飯場で飼っていた犬は俺が看取った

よだれを沢山垂らして死んでいった。