短編小説に挑戦 「Tokyo」(仮)
オンラインゲームのOFF会でモモとは出会った
当時のバイト先が彼女の家に近かったこともありOFF会の一週間後に二人で居酒屋で待ち合わせた
その日から俺は彼女の家に住みこむようになり、彼女が夜の仕事に出かけている間
彼女のキャラクタを育てた
ゲームのキャラクタのレベルを一つ上げる度に彼女は俺にお小遣いをくれた
俺はバイトへ行かなくなった
モモとは時々セックスをした
彼女の手首には古傷があったが今はもう前向きに生きているという
机の引き出しには精神安定剤がごっそりと溜めこんであった
彼女はコレクションだと言った
時折、コンビニに行く時でさえ「行かないで」と言って泣くことがあった
孤独な都会の暮らしのなかでこうして他人に必要とされることは嬉しかった
俺はせっせとゲームに精を出して小さな貯蓄を増やしていった。
つづく